匠ぶろぐ

香水瓶へのインクジェット印刷

 ガラス瓶の印刷ではガラスの粉が入ったインクを使用し、釜で焼く工程があります。高温でインクとガラス瓶が一体化するので、印刷が剥離しません。これが従来のセラミック印刷です。
 高温の釜は消耗しますので、頻繁に釜を新しくする必要があり、これに何千万円もかかります。また釜の温度を上げるのに燃料、電気が必要となります。ですから、ガラス瓶への印刷はプラスチックや紙への印刷とは異なり、コストが高くなります。

 セラミック印刷を行っている職人が今後、インクジェット印刷が主流になることを予測し、10年位以内には印刷工場を閉めると言っていました。それを聞いて、イングランド印刷の職人と意見交換をしてきました。インクジェット印刷の職人は日々、色々な実験を行い、思考錯誤しています。

 本日、お客さんからインクジェット印刷の相談がありました。それで金属職人のところに行った帰りにインクジェット印刷の職人ところに寄り、研究がどこまで進んでいるのか、現状で何ができるのかを聞き、工房を見せてもらいました。
 匠東静の代表者も約25年程前は出版印刷業界に関わり、PCを活用した新しい製版技術を開発し、シンナーまみれになって、深夜早朝まで手作業でスクリーン印刷をやっていた時期もありました。最新の印刷工房はロボットが印刷している感じで、その変化に驚きました。

 現状の技術でも、香水瓶に今までになかった様な凝った印刷ができる段階に達していることを確認しました。また印刷範囲を狭くして印刷時間を短縮できるならば、手が届くコストで小ロットインクジェット印刷が可能なところまで来た印象を受けました。

 従来の技術の職人は、後継者もなく廃業して行っています。一方で、新しい技術を開発している職人が、台頭しています。

 とりあえず適当な案件が入った特に、サンプルを作ってみることになりました。

日記

  • これから増やしていきます!
  • ボトル、パーツの特性も考慮するベテラン調香師

     調香師と面会し、相談を受けることが少なくないです。 当グループでは20年以上に渡り、単なる物品販売ではなく、情報を売る容器のコンサルタントを行ってきま…

    夏場のプラスチックボトルの漏れ問題

     夏場、室内の日が当たるところ(直射日光はほとんど当たらないところ)にPP製ボトルを置いていました。内容物はオーガニック系のサンオイル、精油です。状況か…

    金があっても買えない時代

    これまで、工場閉鎖、生産縮小等の日本の製造業の惨状を書いてきました。色々な分野で、容器等が調達できず困っている、という相談が増えました。これまで他人事…

    調香師の悩みが商品開発の元

     匠東静には、よく調香師が来られ。相談を受けます。 調香師とは、香水、ルームフレグランス等の香りを調合するスペシャリストです。大きな資格を持っていて、…

    従順に生き延びている職人、平気で嘘をつく職人

     ある職人から製造原価が上がり、仕事も減り、生きていけないと言われました。継続的に対応できるとのことだったので、大手の案件を回しました。困窮しているの…