匠ぶろぐ

コビー商品、権利について考える

 商品の形状形態は知恵、経験の結晶であり、日本では意匠権(意匠法)と不正競争防止法2条により、コピー品から保護されています。

 ところが例えば、中国には意匠権、不正競争防止がないので、コピー品が横行し、中国人がこれに怒っていたりします。技術を習得し、進歩させるには、コピーの過程は必要なので、どこに線を引くかで、事態が大きく変わります。

 中国帰化人が、売れ筋の製品について、低品質なコピー品を安く作り、コピー品であることを知りながらも本物として販売したならば、欺罔により錯誤させ、金銭移動が発生したことになるので、詐欺の要件を満たす完全な黒です。

 日本の容器業界では、売れ筋の瓶について、リサイクルガラスを使って同形状の安価な瓶を作り、対立が起こったケースもありますがグレーです。

 実務上、日本では法律は建前であり、司法は実体として機能していないので、詐欺も、コピー品も、模倣品も容認されています。
 中国との違いは、日本人の多くが良心に従い、意匠登録がなくてもコピー品を作らず、消費者を騙して販売しないところです。

 今日、日本では金型を作って、オリジナルの容器を作ることが困難となっています。
金型職人の廃業が続き、金型製作修理が困難となり、金型コストも上がっています。
金型を使って精算する職人、工場の廃業も続いています。

 その中で起こったのが連携です。

 日本人はそれぞれ持っている情報、技術、物を出し合い、1つの製品を作り上げ、シェアしています。その中では、権利の主張、独占はありません。
 中国人は一般的に権利、物への執着が強く、独占欲が強いです。
 アメリカ人はそれにつけ込み、権利を明確化し、中国人に横流しして利益を得たりしています。

 東静グループでは東静容器工業(メーカー)が存在した時代、POLAの工場として容器を製造していました。当時の最低数量は10万本でした。デザイン、技術等が流出しないよう、例えば資生堂などの案件は受けず、職人を工場に抱え込み、POLA独自の製品を製造していました。

 POLA案件の単価が下がり、数量が減り、POLA案件が中国等に流れるようになった頃、その売上だけでは工場を維持できなくなり、DHC、アルビオン等、他社の案件が増えていきました。その頃から職人も独立し、情報、技術は独占されず、シェアされるようになりました。

 今日、売れ筋として残っている製品を見ると、様々な職人、工場、企業、顧客の知恵、経験の結晶となっています。

 結論は出ていませんが、コピーを本物として製造販売しなければ良いように思います。

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