匠ぶろぐ

小ロット販売のはじまり、スタートアップ支援

 容器の小ロット販売は、ほぼ東静グループが最初でした。
 まだAmazonも楽天もなく、マルエム通販もなかった頃、東静容器工業(メーカー)の工場で製造され、在庫になっていた容器(なぎさシリーズ等)を小分け販売したのが始まりです。

 当時、東静容器工業では金型を用いたオリジナル容器のみを製造し、最低ロットは10万本程度でした。業界の一般的な最低ロットは3000本であったところ、ケース単位(100本程度)での小ロット販売を始めました。
 容器業界では画期的であり、業界の新聞にも記事となりました。

 東静創業家二代目の高野眞治氏、システム開発研究会(ミリオンウェーブズ社の前身)、マレリーの会長 水口慶子氏(現スタバCEOの水口貴文氏の母)、慶應大学マンドリンクラブOBらと色々と研究しました。

 日本全国から反響があり、容器に関する様々な問い合わせがありました。
 東静容器工業吉川工場、袋井工場(静岡県)、ミリオンウェーブズ社と拠点間ネットワークを組み、工場技術者がインターネットを使って直接、コンサルタントを行いました。

 その後、取扱う容器のラインナップを増やすべく、他社メーカーに連絡をとり、容器をケース単位で出してもらうよう交渉しました。

 規格容器についてはご近所、合羽橋の竹本容器が早く、中国での生産を行っていました。竹本容器から規格容器の調達も検討しましたが、当時はまだ最低ロット3000であり、断念した記憶があります。
 最初の他社メーカーは東静容器工業に来社されていた武内容器であり、コスモシリーズのクリーム容器でした。

 容器の小ロット販売を始めた理由は、容器の専門家によるコンサルタントを行い、新規事業の起ち上げをサポートすること(スタートアップ支援)にありました。
 15年以上前から、POLA、資生堂などの大手化粧品メーカーの寡占状態が続かないことは容易に予測されました。
 一方、吉川工場にいた松岡定進氏がDHC顧問にコンサルタントを行い、DHCが育ちました。同様に、第2第3のDHCを育てることが容器の小ロット販売を始めた目的でした。

 また優秀な人材も集まっていました。
 早稲田卒の経営コンサルタント、スタートアップのプロの富永秀和氏が東静グループで経営コンサルタントをやっていました。先見の明があり、頭が進みすぎていたので、結果に焦る一般の人はついて来れない状況でした。彼が考えたものが10年以上経って、一般化するものが色々ありました。
 慶応OB、早稲田OBが知恵を出し合い、DIOR等のファッションブランドのブランディングノウハウも取り込み、容器の小ロット販売のビジネスモデルを作り上げました。

 まだ大手が寡占している時代に、スタートアップ支援を目標として立ち上げたのが、東静グループの容器の小ロット販売でした。
 今日、たくさんの小規模事業者が、オーガニック化粧品、アロマオイル、香水などを製造販売し、高い評価を得ています。

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