匠ぶろぐ

東静グループの価格が高いわけ

 東静グループが容器の小ロット通販を始め、20年になります。

 当初は東静容器工場の製品しかありませんでしたが、後に他の容器メーカーの製品もインターネット上で小ロット販売することにしました。各容器メーカーに対し、ケース単位、小ロットで容器を卸してもらえるよう、頼んで回りました。利便性から高いとのことで、マルエム(問屋)も扱うことにしました。

 東静グループはかつて、東の東静、西の釜屋と言われ、日本一、二を争う容器メーカーでした。竹本容器も敷居が高くて近づけなかった、と言っていました。
 容器業界への影響力が大きかったので、インターネット上で価格を公開して通販を行うに際し、価格破壊から容器業界を守ることを第一優先としました。
 つまり各メーカーが顧客に販売している価格よりも安い価格で販売してしまうならば、容器業界で価格競争、価格破壊を引き起こし、既存の流通ルートを破壊し、容器メーカー、容器問屋、容器業界を破壊してしまうことを懸念しました。

 それで東静グループでは一貫して、値引販売は一切行わず、メーカー希望価格で販売してきました。

 他よりも高い価格を公にして、ビジネスが成り立つのか。。。これは容器問屋には理解ではないかと思います。始めから、インターネット上に安売問屋が出てくることも想定済でした。

 価格競争に巻き込まれないビジネスモデル、それが「容器のコンサルタント」でした。

 これは経営コンサルタントをやっていた東静グループ企業のグローバランスとシステムコンサルタントをやっていたミリオンウェーブズから出たコンサルタントモデルです。
 東静グループには長年、容器製造に関わってきた容器の専門家、職人、企業が大勢いました。DHCにコンサルタントを行う程、技術ノウハウが蓄積されてしました。
 そこに着目し、単なる容器販売物販ではなく、情報を売るコンサルタントを主とするビジネスモデルを構築しました。そこから温泉化粧水のプロデュースなどが出て、小ロットOEMの先駆者にもなりました。

 東静グループの顧客のターゲットは、単に容器包材を求める顧客ではなく、起業や新規事業の立ち上げのために情報アドバイスを必要としている顧客でした。多少容器の価格が高くても、他では得られない専門的な情報がもらえ、しかも丁寧に対応してくれるとのことで、大勢のお客さんが付いてくれました。
 容器の価格にはコンサルタント料が含まれていることが広く理解されたので、メーカー希望価格でも十分売れました。同時に標準価格を公に示すことにより、容器業界を価格破壊から守ることもできました。

 このビジネスモデルを見て、ルイヴィトンなどのファッションブランドを想像した方はすごいです。世界中のルイヴィトン店舗のサービスを作った方(現スタバCEO)の母君、DIOR等とのライセンスビジネスの先駆者のビジネスモデルをかなり参考にしました。それはその母君が匠東静代表者の先輩であり、東静創業家二代目の友人であり、直接、助言をもらえたことにあります。

 なかには容器のコンサルタントだけ受け、情報だけを得て、安売問屋から容器を調達する狡猾で卑しい者達も少なからずいました。
 しかし早い段階でフィルターをかけることができるので、最終的には、容器のコンサルタントを必要とし、しかるべき価格で容器を購入して下さる顧客のみが残るようになっています。
 そもそも容器のコンサルタントを必要としない方々、安けりゃいい人達は、当グループから容器を仕入れる必要はないわけです。

 近い将来、容器のほとんどは中国製品に置き換わります。日本製品は年々減っていますが、既に日本製品の需要に対し、供給が追いつかない状況になりつつあります。販売する側も加工する職人も、顧客を厳選せざるをえなくなっています。
 しかるべき人達のみ、日本製品を調達できれば良いかと思います。

 良い商品、良いサービス、コストのかかっているものは高いです。

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