匠ぶろぐ

フランス香水瓶メーカーのポシェグループ(Groupe Pochet)の中国外注

 フランスの香水瓶メーカーと言えば、ポシェグループ(Groupe Pochet)です。長年、ディオールやシャネル等の香水瓶を作ってきました。

 しかしフランスでは日本よりも早く、ガラス職人の廃業が起こりました。
 ポシェグループ(Groupe Pochet、https://www.groupe-pochet.fr)も経営再建の必要性に迫られ、子会社のラリック社(https://lalique.jp)をスイスのArt and Fragrance社に売却しました。
 ガラス工場はギメルヴィル工場(Guimerville)のみとなり、1日生産数は70万本程度です。 日本のガラス工場では1日1ラインで10万本生産し、江戸の半人工ガラス工場でも1日10万本生産していました。ポシェグループの生産規模がかなり縮小されたことが分かります。

 香水瓶の生産拠点はアジア、主に中国に移りました。ポシェグループが行っているのは外注管理、品質管理です。

 香水瓶で一番技術を要するのは金型製作です。
 江戸にも優れた金型職人達がいました。瓶を見るや否や、無理と言われる製品が残っています。しかし残念ながら、その技術は継承されないまま消えてしまいました。 

 中国は、最新の機械を備えています。工場規模、生産規模も甚大です。雇用確保も容易です。それにより大幅なコストダウンが行えます。
 そこにフランスの伝統的な技術が継承されます。

(つづく)

日記

  • これから増やしていきます!
  • ミニ香水瓶の職人の販売方法、不良対策

    ミニ香水瓶の職人の販売方法、不良対策
     ミニ香水瓶の不良の相談が絶えないです。我々が教えなかったのも問題だった、と思うところもあります。 約20年前、東静グループのミリオンウェーブズとグロー…

    香水瓶へのインクジェット印刷

     ガラス瓶の印刷ではガラスの粉が入ったインクを使用し、釜で焼く工程があります。高温でインクとガラス瓶が一体化するので、印刷が剥離しません。これが従来の…

    半人工ガラス職人の壊滅、日本のこと

     台湾で半人工ガラス瓶を作り、香水瓶を販売しているお客さんがいます。瓶がとても綺麗で、香水も素晴らしく、東京都内の一等地で売られるのに相応しい商品です…

    供給不足と価格競争

    日本では工場閉鎖、職人廃業が続き、物によっては需要に対し、供給できない状況が発生しています。納期遅延もその流れです。一方で大規模な価格競争が始まってい…

    上越クリスタル硝子の廃業と消費税について

    上越クリスタル硝子は、倉田一族が始めたガラス瓶製造メーカーの老舗です。理化学系のガラス瓶から始まり、ガラス工芸品を作っていました。月夜野クラフトビール…