匠ぶろぐ

アロマペンダント・ミニ香水瓶の加飾、どうするか?

 アロマペンダント・ミニ香水瓶の加飾の相談がありました。
 アロマペンダント・ミニ香水瓶は小さな小さなガラス瓶です。ガラスの加飾にはサンドブラストと印刷があります。特にガラスの印刷はプラスチックへのスクリーン印刷とは異なり、火を通す工程があります。
 匠東静代表は昔、スクリーン印刷の仕事をしていた時期もありました。Illustratorでデータを作成してフィルムを印刷し、シルクスクリーンで製版し、スキージーを使って印刷をしていました。紙、木などに印刷し、金色の調合に苦労したり、シルクスクリーンを破ったりした思い出があります。

 アロマペンダント・ミニ香水瓶の加飾について周囲に相談したところ、口を揃えたように、半人工(職人が手作業で作っている)でバラツキがあるから難しいとのことでした。
 実際にスクリーン印刷を行っていた者ならば、印刷の曲面に対する柔軟性から、そんなことはないと感覚的に思うわけです。また優れた職人が作った半人工ガラス瓶は粒が揃っていて、パッと見ではバラツキは分からないものです。

 近所の古くから東静に関わっている職人を訪ね、意見を聞くことにしました
 サンドブラストについては、デザインの線を太くすれば曲面でも可能とのことでした。印刷ならば線が細いままでも可能とのことで、このガラスへの印刷が得意な職人を選んで教えてくれました。
 そして、その職人を訪ねました。「人の嫌がる仕事をする」と言いつつ、いくつかの技法を説明してくれました。
 結論的に線が細くても、曲面でも印刷が可能とのことでした。

 今日、楽して稼げる仕事ばかりをしたがり、手間のかかる仕事を安易に断る風潮があります。しかし職人、技術者に直接相談したならば、やはり難しいとされる仕事も可能だったりします。

 そこで重要なのは金払いです。

 職人は商人から安値で叩かれ、疲弊、困窮、人間不信になっています。仕事、技術に見合うだけの支払いをして、共存共栄をしていく意識が大事です。

 ということで、アロマペンダント・ミニ香水瓶の加飾も可能です。

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