匠ぶろぐ

ガラス瓶メーカーを訪問

 東静グループは、高野商店がガラス職人と連携してガラス工芸品を作り、販売したのが始まりです。匠東静代表者の実家の近くにそのガラス工場がありました。それから東静容器工業、東静容器が設立され、メーカー機能と商社機能が分けられました。
 その後、新型の樹脂成形機を導入し、プラスチック容器工場が主流となり、ガラス工場は閉鎖されました。
 ミリオンウェーブズ(匠東静代表者)が東静グループに入ったのは、そのプラスチック容器製造が赤字に転落した頃からです。創業家から、かつては上場を検討したと聞いていました。しかしその時は既に生産を減らし、金型廃棄を進め、自社生産から外注に移行していました。生産管理システムと外注管理システムのハイブリットを運営管理しました。

 経営会議において、創業家三代目、グローバランス代表、ミリオンウェーブズ代表それぞれに、年間1億円以上の売上が求められました。創業家二代目とミリオンウェーブズで始めた通販事業が目標を達しましたが、メーカーを維持できるまでには至りませんでした。
 結果、東静容器工業を閉鎖して、メーカー廃業しました。工場の膨大な建物解体、土地の土の入替え等で二束三文で売却されました。
 関東近郊で、工場を維持する大変さを実感しました。

 ヨーロッパ大手香水メーカーの香水瓶を作っているガラス瓶メーカーを訪問しました。

 日本国内で工場閉鎖が続いています。今日、ガラス工場を維持できているには驚かされます。特にガラス工場は釜の更新が必要なので、維持費がかかります。残っているガラス工場には大抵、大手企業が顧客として付いています。
 しかし、この規模のメーカーとしては予想以上に流通量が少なかった印象を受け、日本の製造業の厳しさを垣間見ました。

 この瓶メーカーの製品は品質が良いです。しかし、同業の間では売れないとのことで、取扱終了しています。大手でもっているメーカーであり、かつての東静容器工業とかぶります。東静容器工業はPOLA、アルビオン、吉田製薬等の大手の主力工場でした。
 いち早く規格容器に取り組んだ竹本容器はバカにされていました。ミリオンウェーブズ(匠東静代表者)が東静グループに入った当時もその風潮がありました。工場が維持できなくなってから、竹本容器を追いかけて、中国に生産拠点を移転しようとしました。しかし結局、品質管理ができず、断念しました。
 大手が他社他国への案件移動を始めた時、理不尽な値下げ交渉が始まります。

 一方、ガラス職人とも最近の中国製ガラス瓶について、話しました。アルカリ(不純物が多い)で良くない時もあるけど、そこそこ良いとのことでした。
 台湾製ガラス瓶を使っている顧客とも話しました。台湾には品質は日本に及ばなくても、半人工ガラス瓶が残っています。ガラスの質も良いです。

 日本もここ5~10年で大きく変わると思います。特に次の円高です。

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